ダウンロード、インストール、起動

PCのチェック

pdを導入する前に、現在使用のPCのチェックが必要だろう。要するにメディアプレーヤーなどで音楽などを聴くことができる状況にあれば、問題はないと思われる。音声入力端子が備わっていれば尚良い(別途オーディオインターフェースを用意しても良い)。もしこの段階で音声が聴けない状況であるならpdどころではなく、環境整備が必要だが本文では割愛する。

ダウンロード

ソフトウェアはhttp://www-crca.ucsd.edu/~msp/software.htmlからダウンロードできる。Pd version云々というリンクである。

Windows版は0.37から、インストーラ付き(self-extracting archive)が登場したが、希望のディレクトリにファイルを展開するというだけで、ショートカットすら作らず、同時に公開されているzip archiveとインストール内容は変わらないと思われる。zip圧縮の展開(解凍)がわからない場合には、インストーラ付きをダウンロードしてもよいだろう。

インストール

現在私はWindows版 Pd version 0.37を用いており、インストールについてはこの版に準じて書く。全ての対応環境を検証する事は私個人では不可能なので、その他の環境については以下を参照。

  • INSTALL.txt(pdフォルダ)
  • Pd Documentation chapter 3(pdフォルダ>doc>1.manual>index.htm)

    上記は
    http://www-crca.ucsd.edu/~msp/software.htmlにも、版が古い可能性があるが、掲示されている。

    インストールと言っても、単にダウンロード済みファイルを展開(解凍)し、展開された中のpdフォルダを、任意のディレクトリに置くだけである。但しディレクトリ名に、半角英数字以外の文字や空白を含むディレクトリにpdフォルダを置くと、pdの起動に失敗する。従って「デスクトップ」「Program Files」等は避けるべきである。最善策はC:等、ドライブ直下にpdフォルダを置くことである。この時pdフォルダのディレクトリ名はC:\pdとなる。

    ディレクトリとは、簡単に言えばファイルが置かれる場所、フォルダに相当する。ディレクトリ名とは場所の名前であり、例えば任意のファイルのプロパティにおいて「場所」として表示されるもののことである。また現在地をカレントディレクトリ、さらにその中(下の階層)にあるディレクトリをサブディレクトリ、ディスクドライブなどの最上層をルートディレクトリと呼ぶ。ディレクトリ名にファイル自体の名前を加えたものをパス名と呼ぶ。「\」「/」「¥」などは階層の区切りの記号だが、OSによって異なる場合があるので注意。

    パッケージの内容

    以下にpd0.37の主なパッケージ構成を示し、本文で扱う予定のものについてのみ注釈する。

    • pd
      • bin
        • pd.exe(pd本体)
      • doc
        • 1.manual
          • 1.introduction.txt(必読)*
          • index.htm(Pd Documentation)*
        • 2.control.examples(操作チュートリアル、pdファイル)
        • 3.audio.examples(音響操作チュートリアル、pdファイル)
        • 4.fft.examples(FFTチュートリアル、pdファイル)
        • 5.reference(オブジェクトヘルプ、pdファイル)**
        • 6.externs
        • 7.stuff(実例など、pdファイル)
        • sound
      • extra(追加オブジェクト、pdファイル)
      • lib
      • portaudio
      • portmidi
      • src
      • tcl
      • INSTALL.txt(Linux、OSXでのコンパイル)
      • LICENSE.txt(必読)*

    * 日本語訳は
    http://psyto.s26.xrea.com/pd/以前の版ではあるが、違いは少ないので参考とする

    ** Dave Sabineらによる追加ヘルプファイル(http://www.davesabine.com/media/puredata.asp?action=pddp)を上書きしてもよいだろう。

    起動

    pdフォルダ>bin>pd.exe が本体であり、ダブルクリックでpdが起動する。

    pdを起動すると、メニュー等が並んだ妙な小箱(pd箱)と、大きめの黒い画面(コマンドプロンプト。DOSプロンプト、DOS窓とも)のふたつが表示される。このDOS窓は、pd起動中には操作できないが、エラーメッセージなどを随時表示する。

    不便ならpd.exeのショートカットを作ってもよい。デスクトップにpd.exeとpdフォルダのショートカットを作成しておくと便利だが(ちなみに私はこれで済ませている)DOS窓またはバッチファイルから、起動時オプションを付けて起動する事もできる(Pd Documentation chapter 3.6)。

    コマンドプロンプトを起動し、pd.exeの絶対パス名「C:\pd\bin\pd」を入力すると、pdが起動する。また「メモ帳」などテキストエディタにpd.exeの絶対パス名「C:\pd\bin\pd」を書き、拡張子bat(pd.batなど)として適当な場所に保存すると、バッチファイルとなる。これをダブルクリックすれば、pdが起動する。では起動時オプションとは何か。

    起動時オプションなし、つまり絶対パス名のみでの起動の場合、DOS窓には

    not using MIDI input (use 'pd -midiindev 1' to override)

    と表示された。つまりDOS窓またはバッチファイルで

    C:\pd\bin\pd -midiindev 1

    として起動すると、接続済みのMIDI入力デバイスが使えるようになる(midi input enabled云々)。ところで0.37以降、これらの設定はpd箱のMediaメニューからも操作可能になった。現状、pd箱での設定は保存されないようである。好みの設定を保存するにつき、バッチファイルは有効である。

    尚、終了の際にはpd箱を閉じるか、File>Quitを推奨。先にDOS窓を閉じることは、PCの動作に支障を引き起こす場合もあるため避けるべきである(特にMIDI接続時にはDOS窓に警告が出るはずだ)。

    オーディオとMIDIのテスト

    次にMediaメニューからTest Audio and MIDIを選択。testtone.pdというウィンドウが表示されるが、この左側、TEST TONEの下の箱「-40」「-20」を押して、音が出れば無事起動の思し召しである。またMIDIキーボードなどを使用の場合、キーボードを叩いてMIDI INの下で何やら数字が動けば無事接続の思し召しである。

    最初にPC側のオーディオ設定をチェックしており、それが万全であれば、問題なく音は出るだろう。この段階で音が出ない場合は、pd箱のAudio settings、またはcompute audioチェックボックスを調べる必要がある。compute audioのチェックは、testtone.pdのロード時に自動的につくはずである。